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2010年10月19日(火)更新

再延長はしない緊急保証制度

昨日18日に経済産業省は、緊急保証制度については来年3月末までとし、再延長はしない方針を決めたと報道されました。

その理由として、円高や長引くデフレで経営環境は厳しいが、国が貸し倒れをすべて肩代わりする特例措置の継続は、国民負担が過度に増加すると判断したということでした。

緊急保証制度により融資は平成22年6月末までで約20兆7千億円実行されていますが、代位弁済額は2,131億円。これは、平成10年10月にスタートした特別保証制度の同期間の水準1.19%とほぼ同じです。

元金返済を据え置いている中小企業も多いでしょうから、今後さらに貸し倒れが増加する可能性は極めて高いです。特別保証制度は融資総額の9.1%にあたる2.6兆円が代位弁済され国民の負担となりました。その時と同じことが現在繰り返されようとしており、中小企業庁は代位弁済率が最終的には10~
11%に達する可能性があるとみています。

そう考えると、緊急保証制度を再延長しないという方針も仕方ないのかもしれません。

ただ、私が関わったお客様を見ていると、偶然かもしれませんが信用保証協会の審査がやたらと甘いように感じてなりません。私や他のコンサルタント、銀行員もこれは無理でしょうという案件でもあっさり承認されたことが最近頻繁に起きています。

代位弁済の発生率を抑えるために、少し保証審査に時間がかかっても、厳しく審査しても構いませんが、存続する価値のある中小企業を応援するためにも、責任共有制度対象外の緊急保証制度は、もう少しの間だけでも存続させて欲しいです。
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