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2011年06月16日(木)更新

出資金の増額要請

 
出資金の増額要請

名前も場所も伏せておきますが、ある信用組合が出資金の大幅な増強運動を開始しました。5年間で毎年10億円増加させ、現在約30億円の出資金を80億円にする予定です。預金が数百万円以上の余裕がある顧客を中心に営業しているようです。

その信用組合の自己資本比率は6%台であり、出資金の配当率は2%。単純に比較してはいけないかもしれないけど、東京都に本店のある信用金庫では配当率が4%のところが一番多く、自己資本比率・配当率共にちょっと低い。
 
50億円増額したとしても、このような不況下で優良な貸出金をそれだけ純増させることは、小さな信用組合では簡単ではないでしょう。そして、その信用組合のホームページに記載されていた不良債権比率は8%を超えていることから、不良債権処理に伴う自己資本比率が大幅に低下する事を防止するために出資金を集めるのでしょう。

出資金は預金金利に比べればはるかに利率は高いことが多いのですが、全額保証されているわけではありません。過去には経営破綻したため出資金が戻ってこなかったこともありました。また融資を受けている場合ですが、出資分と借入金を相殺することが禁止されています。信用金庫・信用組合が破たんした時点で債務超過になっている場合は、借入金だけが残ることになります。無配や低い配当率の信金・信組から出資の要請があった場合は、経営内容を確認し慎重に対応したほうがいいでしょう。