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2010年09月24日(金)更新

長寿企業

創業してから1年で3割が倒産、10年したら8割ぐらいが倒産すると何かで読んだか誰かに聞いたことがあります。そう言われると私が経験したところでもそれぐらいの数字だという印象です。だから資金繰りの相談なんかで決算書を拝見して10期以上の数字が記載されていたら、たとえ決算書の数字がぐち
ゃぐちゃでも10期以上続ける能力がその社長さんにはあるのだろうと考えるようにしています。

日本には長い歴史のある会社が多くあり、日本最古(そして世界最古)の会社は大阪の金剛組で創業年は578年(飛鳥時代)から続いている会社だそうです。 帝国データバンクが調べたところ、創業100年以上の会社(個人経営等も含む)は平成22年8月時点で2万2219社もあるという。こんなにたくさんあるのはおそらく世界中探しても日本だけではないでしょうか。

弊社のある千葉県で最も古い会社は株式会社井上という千葉市の会社だそうで1467年の創業です。100年以上の会社が550社あるとのことです。私は千葉県というとヤマサ醤油が一番古いのかと思ったら1645年、200年近く株式会社井上よりも若いんですね。

2年前に江戸時代に創業した会社にお伺いしたことがあります。正直言って資金繰りの面から見たら、あまりほめられる様な状態ではありませんでした。でも伝統にとらわれずにネットでの販売に力を入れたり、今までとは全く異なる顧客層の開拓を目指して新商品の開発を行ったりと一生懸命努力されていまし
た。

会社を継続していくには、顧客に受け入れられる良い商品やサービスを常に提供し続ける、株や不動産などへの投資等余計なことはせず本業を一生懸命やる等色々あるのでしょうが、時代の変化に対応する能力というのも大切なのかもしれませんね。

2010年09月22日(水)更新

フレンチレストランの経営

東京商工リサーチの倒産速報にシェ松尾の名前がありました。ご存知のとおり高級フレンチレストランとして、松涛、青山、天王洲の3店舗を経営していますが、やはりここも景気低迷の影響で売上減少傾向が続いていました。9月15日に松涛レストランを除いて事業譲渡が行われており、16日以降も営業は
継続しているとのこと。

シェ松尾については、港区のあるお客様から悪いほうの話を色々聞いていましたので、このニュースを聞いても特に驚きはしませんでした。

飲食店でもフランス料理のお店はなかなか継続していくのが大変ですよね。
景気がとても良くて超有名店だったら、経営していくのもなんとかなるでしょうが。

私も以前、フランス料理等高級なお店といくつかお付き合いしたことがあります。あるオフィス街にあったお店は、ランチはとても忙しいけどあまり利益が出ない。夜は木・金曜日だけ人が来るけどそれ以外はほとんど来ない。夜は一人もお客が来ない日も時々あって、本当に忙しいのはクリスマスだけ。

おまけに家賃は高いし、人件費のほうも低く抑えたいけど高級路線のフレンチだからバイトの学生というわけにもいかず、ソムリエやシェフ等を何人も雇用するからどうしても人件費が高めでした。結局一度も利益を出さないまま5年でそのお店は終わってしまいました。他のお店も似たような感じです。

それと、ちょっと有名になったからとお店を増やしていく拡大路線は慎重にしたほうがいいです。管理がしっかり行き届かないことから、結局閉店に追い込まれ、出店する時の借入金が重くのしかかり、他店に悪影響を与えてしまった会社さんをいくつも見てきました。

今は家族で外食する金額も回数も減っているでしょうし、企業の飲食店での接待も同様に減っています。飲食店にとっては厳しい世の中であるのは間違いなさそうです。
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