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2012年05月29日(火)更新

大東銀行が初の資本性借入金(DDS)を実施

5月11日、大東銀行(本店:福島県郡山市)は、地元の被災企業に対して資本性借入金(DDS)を実施したと公表しました。金融庁は資本性借入金の積極的な活用を促進するために、2011年11月22日に金融検査マニュアルの運用明確化措置を公表しましたが、同行では初めての実施となります。福島県内の建設関連業者1社に対して資本性借入金を実施し、借入金の一部返済を10年間猶予して財務改善を図り経営を支援します。
 

資本性借入金とは、決算書上では借入金は負債の部に計上されますが、銀行が企業の財務状況等を判断するにあたっては、負債ではなく資本とみなすことができる借入金のことをいいます。


昨年11月に、金融庁は資本性借入金の積極的な活用を促進するため、金融検査マニュアルの運用明確化が行われたわけですが、
資本性借入のメリットとしては
・資金繰りの改善
・新規融資が受けやすくなる

主にこの2つがメリットとなります。今回の福島県の建設関連業者は、今回新たな資金調達ができたのかは不明ですが、借入金の一部を10年間猶予するとのことですから、資金繰り改善のメリットは大きいと思います。

資本性借入金の詳細はこちらを参照してください。http://www.mn-con.jp/category/1568846.html


このように資本性借入金は中小企業にとって良い制度ではありますが、現状では残念ながらあまり利用されていません。大手銀行を中心に実績はあるでしょうが、中小の銀行となるとまだあまり経験をしていない制度であることから、銀行ごとに対応に差があります。それに、この制度はすべての中小企業にというわけにはいきません。営業利益やキャッシュフローが安定して確保できる企業が対象となるでしょう。


 

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