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信用保証制度見直しの可能性

投稿日時:2011/12/25(日) 12:16rss

中小企業がよく利用している信用保証協会、セーフティネット保証や東日本大震災復興緊急保証等の例外はありますが、2007年から導入された責任共有制度により、原則は融資額の80%保証となっています。

業績が良くないため、セーフティネット保証等100%保証の制度を利用する中小企業は多いのですが、貸す側の銀行からしたらノーリスクのため、審査が不十分であることが多く見受けられます。そして、借りる側の中小企業も保証協会ならプロパーと違い比較的保証も楽に出る、と考えている経営者は多いです。実際、どう見ても先はないだろうという中小企業にも保証が出ています。しかし、今後そのような状況が改められる可能性が出てきました。

今年7月の中小企業政策審議会企業力強化部会と、11月の行政刷新会議の政策仕分けで、現在の保証割合を見直す等を求める提言が相次いだのです。

中小企業政策審議会は、不透明な現在の経済環境下では、引き続き十分な支援が必要ではあるが、「過大な債務を抱えてしまう原因は、100%保証によって融資額が保証されるため、金融機関の融資審査が甘くなっているのではないか」、「信用保証制度については、徐々に役割を減じていくことが今後の政策対応で必要ではないか」という意見がありました。
 
行政刷新会議の提言型政策仕分けでは、信用保証制度について、「信用保証は、借り手の中小企業と貸し手の民間金融機関のモラルハザードを抑制するために、緊急セーフティネット保証の100%保証であっても、部分保証に改めるべきである。」との提言が出ました。
 
信用保証協会に対する保証業務を、日本政策金融公庫(以下、公庫)が担っており、以下の通り毎年大きな赤字を計上しています。
 
公庫HPより
2009年4月から2010年3月期 
公庫の赤字 ▲1兆1,128億円(うち、保証業務の赤字▲9,990億円)
2010年4月から2011年3月期
▲8,865億円(うち、保証業務の赤字▲8,120億円)
2011年4月から2011年9月中間
▲3,069億円(うち、保証業務の赤字▲3,049億円)
このように公庫の赤字の大部分は保証業務によるものとなっています。このような現状では、制度変更に関する意見が出てくるのも仕方ないのかもしれません。
 
経済産業省と金融庁は制度見直しの検討に入っています。信用保証制度が変更される場合には、100%保証制度の見直しや支援先の選別、金融機関にも今以上に負担を強いる内容等、中小企業側には厳しい方向に変更されることが予想されます。

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1971年7月1日東京都江戸川区生まれ。地方銀行や税理士事務所で働いてきましたが、今まで以上に中小企業の経理財務をサポートしていきたく起業しました。

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