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2012年08月10日(金)更新

平成23年度も国税滞納は消費税が最も多い結果に

7月30日に国税庁から公表された「平成23年度租税滞納状況について」によると、平成23年度の新規に発生した税金滞納額は、6,073億円、そして消費税が3,220億円と最も多い結果でした。

















また滞納残高でも、1兆3,617億円のうち消費税が4,169億円と、発生・滞納どちらも消費税が多い結果でした。















国税庁HPより
 

現状の5%でも消費税を納めるのに苦労している中小企業が多いですから、予定通り消費税が8%や10%になったら、今後も滞納が一番多い結果になることが見込まれます。
 
消費税の納付がすぐには難しいと税務署に相談に行ったりすると、「消費税は顧客からの預り金なのだから早く納めろ」と税務署職員に言われたことがある方もいるかもしれません。税収が伸び悩んでいることから、税務署の対応も結構厳しいことがあります。
 
毎月発生する消費税を計算して、その分を積立預金等で管理するのが理想的です。消費税の額に満たない、あるいは途中で解約することになるかもしれなくても、少しでもいいから積み立てるようにしたほうが良いでしょう。そうは言っても、今は積立預金をするのが極めて難しい資金繰りの中小企業が多いかもしれませんが。
 
銀行には無いようですが、信用金庫や信用組合を中心に、消費税納税のための積立預金があります。足利小山信用金庫や館林信用金庫のように、積立金額が納税額よりも足りない場合は、融資の相談に応じてくれるところもあります。
 
以前にもブログかホームページでこのような内容を書きましたが、その頃に比べると消費税分を積み立てる目的の定期積立商品が増えたように思います。
 
参考にいくつかご紹介します。
・足利小山信用金庫 「納税専科」
http://www.ashikagaoyamashinkin.co.jp/hojin/azukeru/salestax.html
 
・館林信用金庫 「安心だ税」
http://www.shinkin.co.jp/tateshin/savings/reserve04.html
 
・東京東信用金庫 「おさむくん」
http://www.higashin.co.jp/product/deposit/nouzei.html
 
・会津信用金庫 「完納くん」
http://www.aizu-shinkin.jp/kojin/tameru000.html


 
 






2012年07月13日(金)更新

政府系金融機関の低格付け企業への対応

私は「政府系金融機関の御社への対応はどんな感じですか」とお客様や有料相談を利用してくださった経営者さんたちに、よく質問させていただきます。そうすると、大体は以下のような答えで、あまり良い話を聞きません。
 
・特に業績に大きな変化はないのに最近冷たい
・リスケの相談に行ったら態度悪くて腹が立った
・まともに審査すらしてくれなかった
・こんなところもう利用しない
・使えない
・もう行かない
・殴りたい
 
経営者さん側からしか話を聞いていませんが、政府系金融機関への不満をよく聞きます。よく話を聞いていると、担当者の話し方や態度が気に入らないという人が多いみたいです。
 
私のところに相談に来られるのだから、何かしら調子が悪い会社さんが多いのですが、ちょっと融資に消極的と感じることが多いです。逆に保証協会は積極的なことが多く、世話になっていると感じる経営者さんは多いように思います。
 

日本銀行の金融システムレポート2012年4月号の中にこのような図表がありました。
http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr120419a.htm/
 





















(日本銀行 金融システムレポート平成24年4月号P22の図表Ⅲ-3-6を引用)
 
ちょっと見づらいですが、青色の政府系金融機関は高格付けや中格付けと比べると、低格付けの中小企業に対する貸出シェアは低いことが分かります。
 
政府系金融機関というと、民間の銀行が融資を躊躇するような低格付けの企業でも支援するというイメージがありますが、決してそうではないようです。低格付けでも支援してくれるのは、信用金庫や地方銀行だとこの資料からは言えそうです。
 
その一方で、銀行側から「自行よりも良い条件で、融資先が持って行かれる」と不満を持っている話を聞きます。先ほどの図表にもあるように、政府系金融機関の方が貸出金利は低い等、条件面で民間銀行よりも優位にあることが多いためです。
 
政府系金融機関は民業補完機能の発揮によって、低格付け先への支援を期待されているわけですが、低格付け先への融資は消極的で、高・中格付け先への融資に積極的となると、高・中格付け先への貸出競争激化の原因の一つにもなり、銀行側からは民業圧迫と批判が出てくるかもしれません。
 
最初の方で政府系金融機関への不満を書きましたが、逆に積極的に支援してもらっている私のお客様も存在します。融資を断られたり、担当者の態度が気に入らなかったりしても、やはり中小企業にとって資金調達の選択肢の1つとして重要ですから、良好な関係を築けるよう努力してほしいと思います。
 
 

2012年07月06日(金)更新

Bizコンパスというサイトで資金調達を担当しています

エヌ・ティ・ティ・ナビスペース株式会社様が運営するBizコンパスというサイトで、私が資金調達に関する記事を5回に分けて担当しております。
http://www.bizcompass.jp/ 
 

私の記事はこちらにありますので、お時間あるときにでも読んでみてください。
http://www.bizcompass.jp/taxonomy/term/2860

 

2012年07月02日(月)更新

多摩信金のWinパートナー

4月2日から多摩信用金庫(本店、東京都立川市)は、「Winパートナー」という融資商品を取り扱っています。
 

この融資商品はプロパー融資というのが特徴で、直近の決算書または確定申告書における売上高が1億円未満の法人・個人を対象にしています。原則無担保、700万円までという内容です。保証人は法人の場合、代表者1人が原則ですが、利率に1%上乗せをすれば保証人を免除する制度もあります。
詳細はこちらをhttp://www.tamashin.biz/01_business/01_financing/01_win/06_partner/


小規模企業が信用金庫から資金調達するというと、最近は保証協会付き融資しか提案してこないという傾向が強いと思います。しかし、スタート2か月で1500件を超えたといいますから、多摩信用金庫の積極的な姿勢が伺えます。


たかが700万円と思う方もいるでしょうが、プロパー融資では支援しづらい決算内容が多いであろう小規模企業が多い割には健闘していると思います。


信用保証協会の100%保証が大幅に見直される可能性が高くなっていますし、保証協会の保証に頼らなくても融資先企業をしっかり審査できる職員を育成したい狙いもあるようです。

2012年06月22日(金)更新

さくらんぼ

父の実家からさくらんぼが届きました。






















佐藤錦という品種です。さくらんぼは今が旬ですが、デリケートで傷みやすい(雨が降ると実が割れてしまうぐらいです)ので早く収穫しなければなりません。そのためさくらんぼ農家は今非常に忙しいです。

両親が山形出身でともにさくらんぼをやっていたので、小さい時からたくさん食べてきました。今年もおいしいさくらんぼでした。

2012年06月16日(土)更新

信用金庫で不適切な融資取引が発覚

長崎県に本店のあるたちばな信用金庫で、不適切な融資取引があったと発表がありました。


融資ノルマ達成が目的で、月末に融資を実行し目標を達成したら翌日初めに回収するという方法です。


融資先の了承は得ていたものの、実際の資金需要に基づかない融資でした。平成23年8月に実施した内部監査で発覚し、発生期間は平成15年12月から平成23年7月まで、12店舗、顧客数54顧客、発生件数230件、発生金額3114百万円ということでした。


融資先の了承があったとはいえ、今後の融資取引を考えたら断れなかったのでしょう。月末にノルマ達成のために、超短期で借りてくださいという融資は、たちばな信用金庫に限った話ではありません。こういう事は他でも結構あります。自分たちの不適切な取引を発表しだだけ、たちばな信用金庫はまだいいほうです。


こんなことしても融資先は利息分損をするし、この信用金庫自体も融資量が本当に増えたわけではありませんけど、なぜかこういうことをする人間が出世していくんですよね(バレなければですけど)。


私の先輩にも同じようなことしている人がいました。私が銀行員だったころ、とにかく個人からの定期預金獲得にとても熱心だったのですが、その先輩は法人の取引先の当座預金残高を社長個人の定期預金にするんです。そして、月末頃になると社長が「当座預金の残高がないから、手形の決済ができない。どうしたらいいでしょう」と言ってくる。


そうするとその先輩は、作ったばかりの定期預金を担保に融資を行い、数日後には融資と定期預金を相殺するという流れです。これも融資先に余計な利息を支払わせ、銀行は預金量も融資量も結局増えないわけです。お客様と銀行には何も貢献していないのに、上司たちからは、よくやったと評価されて出世していくんです。


お付き合いでやったからといって、自分が困ったときに助けてくれるわけではありません。こういうお願いがあっても、遠慮せず断りましょう。

2012年06月15日(金)更新

金融機関別代位弁済実績が公表されました

4月26日のブログにて、金融機関別の代位弁済状況が公表されることになったとお知らせしました。
http://bankconsul.keikai.topblog.jp/blog_my_top/blog_id=7&date=2012-4-26


民主党の大久保勉議員からの要請を受けた中小企業庁は、6月13日にホームページにて金融機関別の代位弁済状況のリストを公表しました。
こちらがそのリストです
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/shikinguri/hosho/download/0613bensai.pdf


最後のページに合計がありますが、23年4月から24年3月の1年間で代位弁済額は8,600億円あり、そのうち100%保証分が6,400億円と全体の7割を占めています。


19年10月に責任共有制度が導入されましたが、今でもセーフティネット保証や創業関連保証等は、責任共有制度の対象外として100%保証となっています。景気の影響で業績が悪化している中小企業や創業時に保証をするわけですから、通常の保証よりも焦げ付く可能性が高くなってしまうこともあるでしょう。しかし、100%保証が付くか付かないかでは、明らかに金融機関の審査への取り組みに差があります。


このリストが公表されることで融資への悪影響を懸念する声もありますが、代位弁済によって多額の税金が使われるわけですから、金融機関ごとに代位弁済率や件数・金額を知っておく必要はあります。


今年の秋には、セーフティネット保証5号の対象業種を大幅に縮小する見込みです。金融機関は自分たちに負担がないからと、安易な考えで信用保証協会を利用し代位弁済額を増やす結果が続けば、信用保証制度の利用条件が厳しくなり、中小企業にとって利用しづらい方向に進んでいくことが予想されます。リストの公開で、そのようなことが少しでも減らせたらと思います。

 

私の家の周りでよく見かける金融機関を例に出してみると、以下のような結果になっていました。

・みずほ銀行 代位弁済率2.3%
件数1,781件(うち、100%保証制度の分が1,610件、件数に占める割合は90.3%)
金額25,984百万円(うち、100%保証制度の分が23,290百万円、金額に占める割合は89.6%)


・千葉銀行  代位弁済率1.9%
件数786件(うち、100%保証制度の分が509件、64.7%)
金額10,988百万円(うち、100%保証制度の分が7,909百万円、71.9%)


・京葉銀行  代位弁済率2.8%
件数492件(うち、100%保証制度の分が284件、57.7%)
金額6,116百万円(うち、100%保証制度の分が3,867百万円、63.2%)


・東京東信用金庫  3.0%
件数584件(うち、100%保証制度の分が404件、69.1%)
金額5,874百万円(うち、100%保証制度の分が4,049百万円、68.9%)


千葉銀行、京葉銀行、東京東信用金庫は全体平均よりもやや下回っていますが、みずほ銀行は金額・件数ともに約9割が100%保証です。ほかのメガバンクも同様に高いです。このリストだけで見ると、メガバンクは自分たちがリスクを負わない範囲でしか中小企業を支援しないと言えます。

みなさんが取引している金融機関も確認してみてください。


 

2012年06月12日(火)更新

もったいない


昨日、新しいお客様になってくれた会社さんは、北関東ののどかなところにあり周りは田んぼと畑ばかり。パートで働いている人は農家の奥さんか娘さんがほとんどです。
 

その会社さんは飲食業で、近所の農家の方がよく食べに来てくれます。ただ一つ気になるのは、食べられないのにご飯の大盛りを頼んで残していく人がとても多い、と社長が言うのです。


社長が、「なぜ残すんだろう、農家の人なのにお米の大切さがわからないのかな?」と近くにいたパートさんに言ったそうです。そうしたら、「社長はずいぶんケチですね。うちでも残ったら捨ててます。社長はそんなに貧乏なのですか?」と言われてしまったと教えてくれました。
 

そのあとのやり取りはこんな感じだったそうです。

社長「そういうことを言っているんじゃなくて、もったいないと言っているんだ」


パート「でももうお腹一杯なんだから、しょうがないですよ」


社長「だったら食べられるだけの量を頼めばいいだろう」


パート「まあ確かにそうなんですけどね。でもどこの家でもそんなもんですよ」


社長「あなたの家では残ったらチャーハンとかにしないの?」


パート「2日目のご飯なんて誰も食べないから捨てます」


社長「もったいないと思わないの?」


パート「家には米なんてたくさんあるのだから、少しぐらい捨ててもいいじゃないですか。(社長の奥さんに向かって)社長、ケチで嫌じゃないですか?」


社長「・・・・(呆れて話すのをやめたそうです)」


このパートさんだけじゃなく、他の方も同じように考えていることが分かり、社長はとてもショックだったと言っていました。


おそらくそこの一帯の農家だけで、ほとんどの農家の方は大切にしていると思う(思いたい)のですが。


農家の人が一生懸命作ってくれたのだから残したらいけないし、お茶碗にご飯粒がたくさんついていれば、ちゃんと食べろと言われたように私は記憶していますが、今は違うのでしょうか。

2012年06月11日(月)更新

老舗のチカラ

東京都民銀行は6月1日、創業30年以上あるいは伝統工芸に関わる事業者向けの融資商品(老舗のチカラ)を発表しました。


東京にも伝統工芸というものがあるのはもちろん知っていましたが、東京都伝統工芸士会のHPを参照すると結構あるんですね。

東京都民銀行は地盤である東京にも伝統工芸に関わる企業が多く、伝統工芸を後世に残すためにも、それに関わる企業を支援したいことが目的です。


HPによると、対象は以下のいずれかに該当する法人及び個人事業主です。
①創業30年以上の事業者
長期的な視点を持ち、本業を重視した謙虚な経営により、数々の環境変化を乗り越え、現在まで継続し、長年顧客に選ばれ続けている事業者


②伝統工芸にかかわる事業者
全国伝統的工芸または東京の伝統工芸に認定されている事業者。製造工程の主要部分が手工業的であり、伝統的な技術又は技法により製造を行う事業者


③独自の技術力を評価されているものづくり企業(事業者)
高い品質を実現できる設計力や技術力を持ち、ISO取得や技術力に関する受賞等により、対外的にその技術力を評価されている、ものづくりを生業とする事業者


金額は300万円~5億円、期間は10年以内、担保必要に応じて、保証人は原則1名以上となります。


東京都ではなく千葉県の話ですが、2012年5月28日の千葉日報ネット版によると、昨年度から千葉県は伝統的工芸品のブランド化事業に取り組んでおり、新製品の開発に向け現状把握の為のアンケートが実施されました。


県指定伝統工芸品の生産者94人を対象に、昨年11月から12月の間、年齢や後継者の有無、生産量、売上などを尋ねる調査票を配布し、65人から回答を得ました。


それによると、
・年齢別では60歳以上が52人と約8割に上り、70歳以上も31人(48%)で、高齢化が浮き彫りとなった。
・49人(75%)は従業員を雇わず1人で生産し、後継者がいないと回答した生産者は35人(54%)と担い手不足も深刻。
・しかも約4割は年間売り上げが100万円未満。


このように厳しい状況に置かれていることがわかりましたが、東京にある伝統工芸も似たような状況でしょう。


伝統工芸を後世に残すためにも、東京都民銀行には積極的な支援をお願いしたいと思います。

2012年06月10日(日)更新

高橋克也と信用金庫

時々、私のブログにどんなキーワードで来てくれているのかと確認しているのですが、高橋克也と信用金庫、あるいは高橋克也とさわやか信用金庫とありました。


高橋がどこの信用金庫で預金を引き出したのか知りたい人がいるみたいです。


高橋克也はサリン事件だけかと思ったら、公証人役場事務長逮捕監禁致死事件にも関与していたんですね。すっかり忘れていました。


大学卒業式の日にサリン事件がありました。丸の内線を使っていたので、ちょっと時間がずれていたら私も被害を受けていたかもしれません。卒業式が終わって、学校のテレビには毒ガス事件が起きたと放送されていたのを今でもよく覚えています。


警察の方には頑張ってもらって、犯罪者は絶対に逃げ切れないということを証明してほしいです。


ちなみに、信用金庫の名前は川崎信用金庫(渡田支店)です。公開された防犯カメラに映っていた女性職員の制服が川崎信金のに似ているし、川崎信用金庫の関係者にも確認しました。

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会社概要

銀行での融資経験や税理士事務所での法人担当経験を生かし、中小企業の経理部長となって銀行融資取引や、提携税理士と共に経理業務のサポートを行っています。

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個人プロフィール

1971年7月1日東京都江戸川区生まれ。地方銀行や税理士事務所で働いてきましたが、今まで以上に中小企業の経理財務をサポートしていきたく起業しました。

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