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2011年06月20日(月)更新

全国の信用金庫で初めての女性理事長

高知信用金庫は、6月20日の理事会で女性理事長が誕生する事になりました。山本正男理事長は会長に、山﨑久留美理事が新理事長に就任する役員人事を行いました。金融機関というと高卒は出世もある程度のところまでということが実際には多いでしょうし、高卒女子が理事長になったというのは驚きました。

高知信用金庫は出資金の配当率が10%と非常に高いことで有名です。自己資本比率は30%以上あり、さらに四国の金融機関のなかでも高収益体質であり優秀な信用金庫ではあります。

しかし、預貸率では10%台と他と比較して極めて低いが、預証率は非常に高く150%台(22年3月末で158,26%)と、預金を集めても有価証券で運用している部分が非常に多い状況です。

新理事長の山﨑氏は業務の効率化や合理化の面で活躍しただけでなく、資産運用能力に長けており、高収益体質を構築したことも評価されたものと思われます。よって、今後も集めた預金は国債、社債、株式での運用をメインにしていくのでしょう。

平成22年3月末で貸出金800億円のうち事業者向けは209億円。いくら中小企業の資金需要が低調といっても、近隣の金融機関はもっと預貸率が高いところから、まだまだ融資できる先はあると思のですが。地元で集めた預金は、地元の発展に使うことが信用金庫の一番の役割だと思います。


2011年06月16日(木)更新

出資金の増額要請

 
出資金の増額要請

名前も場所も伏せておきますが、ある信用組合が出資金の大幅な増強運動を開始しました。5年間で毎年10億円増加させ、現在約30億円の出資金を80億円にする予定です。預金が数百万円以上の余裕がある顧客を中心に営業しているようです。

その信用組合の自己資本比率は6%台であり、出資金の配当率は2%。単純に比較してはいけないかもしれないけど、東京都に本店のある信用金庫では配当率が4%のところが一番多く、自己資本比率・配当率共にちょっと低い。
 
50億円増額したとしても、このような不況下で優良な貸出金をそれだけ純増させることは、小さな信用組合では簡単ではないでしょう。そして、その信用組合のホームページに記載されていた不良債権比率は8%を超えていることから、不良債権処理に伴う自己資本比率が大幅に低下する事を防止するために出資金を集めるのでしょう。

出資金は預金金利に比べればはるかに利率は高いことが多いのですが、全額保証されているわけではありません。過去には経営破綻したため出資金が戻ってこなかったこともありました。また融資を受けている場合ですが、出資分と借入金を相殺することが禁止されています。信用金庫・信用組合が破たんした時点で債務超過になっている場合は、借入金だけが残ることになります。無配や低い配当率の信金・信組から出資の要請があった場合は、経営内容を確認し慎重に対応したほうがいいでしょう。
 
 

2011年06月06日(月)更新

中小企業を狙った詐欺

東日本大震災の発生以降、義援金を騙し取る詐欺事件が増えています。
被災地を支援するためと偽り、募金活動と称して現金を騙し取る、振込をさせるそうです。

それ以外にも、大震災によって資金繰りが悪化する中小企業をターゲットにした詐欺事件が発生しています。融資話を持ちかけ、融資の事務手数料とか保証金という名目で騙し取る事件で、こういうのは不景気で資金繰りが苦しい中小企業が増加すると増えてくる犯罪です。


そういう話にはぜひ注意してください。

2011年05月23日(月)更新

東日本大震災復興緊急保証の推進を本格化

5月23日から全国で開始される東日本大震災復興緊急保証は、信用保証協会が100%保証する制度であることから、各銀行でも今年度の融資営業の中心と捉えて本格的に推進していくようです。
 
すでにこの制度が確定したと同時に営業活動を行っている銀行がありますし、三菱東京UFJ銀行のような大手銀行でも、取引先を対象にした説明会を行う等積極的に動いています。どこの銀行も保証枠の獲得に積極的です。
 
直接被害を受けただけでなく、被災区域外で間接被害が認められる中小企業も対象となっています。詳細は中小企業庁のHPを参照してください。また自社のある市区町村のHPも必ず参照してください。
 
しばらくは自治体によって認定基準に温度差が発生する懸念があります。またこういう制度は、緊急保証制度の時のように途中から条件などに変更がある場合がありますから、時々は制度内容を確認しておくといいでしょう。
 

2011年04月24日(日)更新

東日本大震災復興緊急保証(仮称)

資金繰りに困っている中小企業は、通常の保証枠とセーフティネット保証(5号)などの別枠を既に使い切っていることも多いと思われます。
 
政府は東日本大震災の影響で、直接的または間接的に被害を受けた中小企業の資金繰りを支援するために、信用保証枠を新たに設定する方向に入っています。
 
被災企業にセーフティネット保証(5号)や災害関係保証とは別枠で2億8千万円(うち無担保8,000万円)までの保証を認める措置で、融資額の全額を保証する事で銀行からの資金供給を行いやすくします。
 
現在の信用保証枠というのは、一般保証枠が2億8千万円(うち8,000万円が無担保)、そして特別保証枠2億8千万円(うち8,000万円が無担保)となっているわけですが、さらに別枠として2億8千万円(うち8,000万円が無担保)が用意され、特別保証枠は2倍に引き上げられる事になります。
 
緊急保証制度が開始された時は100年に1度とか言われていましたが、今度は1000年に1度と言われたりしますから、この措置は評価するべきでしょう。そして、信用保証協会も柔軟な対応をしてくれるものと思われます。
 
  

2011年04月18日(月)更新

復興支援定期預金

今いろいろなところで東日本大震災の義援金を受け付けていますが、復興支援定期預金を取り扱う銀行・信用金庫が増えています。
 
最も早く取り扱いを開始したのは城南信用金庫。ボランティア預金の名称で3月17日から9月30日まで、預け入れ額の0.1%を寄付します。
 
その他の金融機関でも4月以降取り扱うところが増えており、例えば荘内銀行、トマト銀行、秋田信用金庫、鳥取信用金庫などがあります。
 
預け入れ額の0.03~0.1%を寄付ということで預金者の負担はなく、金融機関側が寄付する仕組みとなっています。9月まで取り扱っているところが多いようです。
 
不景気で募金をするのが難しい方もいるかもしれませんが、これなら自己負担無しで復興支援に協力できますね。
  

2011年04月13日(水)更新

中小企業金融円滑化法の修正内容について

 前回のブログでもお話ししましたが、中小企業金融円滑化法は平成24年3月31日までと1年延長されました。
 
去年12月末まで96,9%の条件変更に応じ、銀行側もこの法律を意識し過ぎて、かなり無理してリスケジュールに応じているという雰囲気でした。中小企業は経営資源が乏しいために経営再建が難しいところも多いですが、そもそも経営改善意欲がない企業ですら、申請があれば応じる事を前提に審査しているのが現実です。
 
そのため今回の延長に伴い、金融庁は事業継続が難しい中小企業に対しては、自主廃業や債務整理の助言等も含め機械的に条件変更に応じずに、各銀行の判断を尊重することにしました。銀行側としては、これで少しは適正な審査が期待できると思うかもしれません。    
 
そうは言ってもしばらくは東日本大震災の影響や、今までの支援内容との整合性もありますから、銀行の支援姿勢に急激な変化はないかもしれません。しかし、今後は経営改善意欲のない中小企業は、支援を打ち切られる可能性が高くなったと認識しておいたほうがいいでしょう。
 
また、金融庁は東日本大震災によって融資先企業が一時的な赤字や延滞が発生しても、債務者区分を引き下げなくて済む特例措置を発表しています。大震災によって直接被害を受けた場合以外に、計画停電や原材料の調達難などによって業績が悪化した場合も対象となります。

2011年04月08日(金)更新

中小企業金融円滑化法は1年延長

 東日本大震災の影響であまり目立たないニュースとなってしまった感じですし、私もブログで紹介するのをすっかり忘れていましたが、3月31日に中小企業金融円滑化法を1年延長させる「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の一部を改正する法律」が可決され成立しました。従って中小企業金融円滑化法の期限は、平成24年3月31日までとなります。 
 
金融庁が3月28日に、銀行における22年12月末までの条件変更の実績を公表しました。条件変更の実行率は96.9%と依然として高い水準のままですね。 
(注)実行率=実行件数÷(実行件数+謝絶件数) 
 
それにしても758,798件、25兆6,741億円もの条件変更がなされている事には驚きますし、それだけ多くの中小企業が資金繰りで悩んでいる事がわかります。 

2011年04月04日(月)更新

代理現金払い戻し

 東日本大震災によって、取引銀行の店舗がない地域に避難している被災者のために、東邦銀行(本店、福島県)や常陽銀行(本店、茨城県)では、ほかの銀行の協力を得て代理現金払い戻しを行っています。
 
これは他の金融機関と連携し、本人確認ができれば自行顧客の預金を他行で払い戻すことができる制度です。
 
八十二銀行、足利銀行、群馬銀行、武蔵野銀行、横浜銀行、第四銀行、千葉銀行、山形銀行等が提携し取り扱っています。
 
対象は法人・個人で、普通、当座、貯蓄、納税準備、定期、通知の各預金。
 
本人確認(運転免許証などをもとに、ファックスなどで東邦、常陽銀行に照会)を行い、通帳・印鑑が揃う場合は預金残高の範囲内で1口座あたり1日100万円まで、揃わない場合でも10万円まで払い出しを行います。
 
信用金庫でも、以下の信用金庫に普通預金または貯蓄預金を持っている個人については、1口座について、1日1回残高の範囲内でかつ10万円を限度に払い戻すことができます。3月28日以降、全国の信用金庫(取扱い体制の整った信用金庫)で対応します。
 
・宮古信用金庫
・石巻信用金庫
・気仙沼信用金庫
・ひまわり信用金庫
・あぶくま信用金庫
 
被災した方が私のブログなんて見ていないでしょうけど、一応書いてみました。
 
銀行や信用金庫のホームページを見ると、「本人であることを確認できる書類を持参してください」、あるいは「できる限り持参してください」とあります。何も持たずに避難した人も多いでしょうから、作業に時間がかかるケースもありそうですね。
 
 

2011年03月29日(火)更新

じゃんけんで金利決定

新潟県南魚沼市にある塩沢信用組合は、4月1日限定でこのサービスを実施します。
決してエイプリルフールではありません。
 
全5店舗でこの「ジャンケン三本勝負・定期預金」を扱うわけですが、支店長が審判となり、職員とじゃんけんで3回勝負をし、勝敗数で金利が店頭表示金利の2~7倍になります。全勝なら7倍、2勝1敗なら5倍、1勝2敗なら3倍、全敗しても2倍となり、顧客の負けは無いという設定です。
 
預け入れ金額は50万円から3000万円、期間は1年から5年、対象は組合員とその家族。4月1日のみ取り扱いですが、11年度中にあと2回発売日を設ける予定です。
 
お堅い金融機関がじゃんけんで金利を決定するなんて、初めてではないでしょうか。当日は盛り上がりそうですね。
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会社概要

銀行での融資経験や税理士事務所での法人担当経験を生かし、中小企業の経理部長となって銀行融資取引や、提携税理士と共に経理業務のサポートを行っています。

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個人プロフィール

1971年7月1日東京都江戸川区生まれ。地方銀行や税理士事務所で働いてきましたが、今まで以上に中小企業の経理財務をサポートしていきたく起業しました。

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