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2011年07月15日(金)更新

東日本大震災復興緊急保証の7月8日までの利用状況

中小企業庁のホームページ内にある資料によると、東日本大震災復興緊急保証が7月8日現在で保証承諾は23,835件、6,665億円に達したとありました。
 
東日本大震災復興緊急保証(以下、震災緊急)は今年5月23日から取り扱いを開始し、直接及び間接被害を受けた中小企業を対象に、資金繰りを支援する制度です。各銀行とも震災緊急が100%保証であることから、セーフティネット保証と同様に、融資の主力商品としています。

全国で最も利用が多いのは東京都で、全国に占める東京都の割合は件数で約30%となっています。震災の直接・間接被害が多い東日本地域を中心に震災緊急の利用が多いのですが、意外にも特定被災区域の岩手、宮城両県の利用が現状では少ない状況です。また、直接よりも間接被害での利用が全体の7割を占めています。
 
震災緊急では保証を受けるために、特定被災区域外の中小企業が申し込む場合は、売上減になったことを説明する「理由書」の提出が求められることが面倒であったり、要件になっている前年同期比の売上減少が-10%(あるいは-15%、緊急保証制度の時は-3%以上)以上というところがネックであったりするからでしょうか、緊急保証制度の時のような申込者が窓口に殺到するケースは少ないようです。
 

2011年07月08日(金)更新

未払いの残業代

先日知り合いの社会保険労務士さんと食事をしていたときに、消費者金融への過払い金の返還請求で有名な弁護士が脱税していたという話を聞きました。そして、消費者金融に対する過払い金の返還を主に取り扱っている弁護士は、テレビ、ラジオ、電車の中でも宣伝していましたが、それもそろそろ落ち着いてきたようで、次のターゲット?は未払いの残業代だと言っていました。
 
残業代については、私のお客様でこんな会社さんがあります。
製造業のその会社さんは、資金繰りが苦しいからと社員は定時で帰らせ、そして役員が残業して仕事をしている。でもしばらくすると帰ったはずの全社員が会社に戻ってきて仕事をしている。
 
社長が「何をやっているんだ?」と尋ねると、「自分の車を修理している」、「バイクをいじっている」、「俺の好きなことをただやっているだけ」と言いながら仕事をしています。
社長が「残業代払えないから困る」と言っても、「俺たち仕事なんてしていない、好きなことを勝手にやっているだけ」と言います。みんな会社が苦しいのを理解し、とても忙しい時は自ら進んでサービス残業をしていました。
 
その話を社長は私に嬉しそうに話してくれましたし、とても感謝していました。リーマンショック、東日本大震災の影響を受けながらも、少しずつ再生に向かっています。
 
でも実際、給与に関するトラブルは増加してきたとその社労士さんは教えてくれました。心配な経営者さんは一度専門家に相談したほうがよさそうですね。
 

2011年07月01日(金)更新

銀行の日

とうとう7月1日になってしまいました。今日で40歳です。30歳のときはまだ人生三分の一と思っていましたが、40歳だともう人生が半分終わっちゃったという気持ちです。誕生日なんてちっとも嬉しくありません。

ところで今日7月1日は銀行の日です。

明治26年(1893年)7月1日、普通銀行に関する法規の基礎となる銀行条例が施行されました。日本金融通信社が、銀行が『地域に、取引先に、株主に』より開かれ、より親しまれ、より信頼されるために、自らを見つめ直す日として提唱し、平成3年(1991)に7月1日を「銀行の日」と制定されました。

だからといって、別に融資が出やすいとか、預金金利が高いという私たちにとってうれしい特別な事はありませんが。
 
ちなみに信用金庫の日は6月15日、信用組合の日は9月3日です。


2011年06月22日(水)更新

東京電力への金融支援

6月21日、読売新聞Web版より一部引用
東電、銀行・生保50社に支援要請へ
東京電力が50以上の取引金融機関に対して金融支援を近く要請することが20日、明らかになった。
震災前に借りていた長期・短期の計約2兆円のうち返済期限を迎える融資の借り換えと、残高の維持を求める。融資金利も年1%未満の超低金利を要請する模様だ。ただ、格付け会社ムーディーズ・ジャパンは同日、東電の格付けを投機的水準に引き下げることを決めており、各金融機関は厳しい判断を迫られることになりそうだ。
引用終わり
 
確かに各金融機関は難しい判断を迫られるでしょうね。大手銀行は支援に積極的ですが、それ以外の金融機関には慎重な姿勢も少なくありません。依然として深刻な状況であり、閣議決定された損害賠償支援法案も成立しないでいますが、法案の早期成立を前提にすれば回収可能性に懸念がないということで支援していくしかないでしょう。
 
大手銀行は原発事故後に約1兆9,000億円の緊急融資を行っていますが、通常ならリスクが高すぎてとても融資できるようなものではありません。融資を実行した大手銀行の経営者も、リスクの高い融資を実行し返済不能となれば株主代表訴訟を受ける恐れがあるでしょうが、東京電力の経営が揺らげば銀行自身も大きな損失が発生するでしょうし、日本経済のために電力供給がストップすることは避けたいという考えもあったと思います。
 
原発事故のような大きな事故を中小企業が起こしたら、1%未満の超低金利での融資なんてあり得ない、というか融資しませんけど。仮に融資ができそうだとしても担保や保証人という問題が発生するか、少なくとも貸出金利の大幅引き上げぐらいはあり得ます。ちょっと業績が悪くなっただけで金利引き上げをさせられた中小企業経営者からしたら、経営状況が極めて悪化しているのに、良い時の1%未満のままを不満に思う方も多いでしょう。


私のお客様は三井住友銀行や三菱東京と付き合っている方が多いので、お伺いした時に「何で三井住友銀行は東京電力には甘くて、うちには厳しんだ」と愚痴を聞かされそうです。
 

2011年06月20日(月)更新

全国の信用金庫で初めての女性理事長

高知信用金庫は、6月20日の理事会で女性理事長が誕生する事になりました。山本正男理事長は会長に、山﨑久留美理事が新理事長に就任する役員人事を行いました。金融機関というと高卒は出世もある程度のところまでということが実際には多いでしょうし、高卒女子が理事長になったというのは驚きました。

高知信用金庫は出資金の配当率が10%と非常に高いことで有名です。自己資本比率は30%以上あり、さらに四国の金融機関のなかでも高収益体質であり優秀な信用金庫ではあります。

しかし、預貸率では10%台と他と比較して極めて低いが、預証率は非常に高く150%台(22年3月末で158,26%)と、預金を集めても有価証券で運用している部分が非常に多い状況です。

新理事長の山﨑氏は業務の効率化や合理化の面で活躍しただけでなく、資産運用能力に長けており、高収益体質を構築したことも評価されたものと思われます。よって、今後も集めた預金は国債、社債、株式での運用をメインにしていくのでしょう。

平成22年3月末で貸出金800億円のうち事業者向けは209億円。いくら中小企業の資金需要が低調といっても、近隣の金融機関はもっと預貸率が高いところから、まだまだ融資できる先はあると思のですが。地元で集めた預金は、地元の発展に使うことが信用金庫の一番の役割だと思います。


2011年06月16日(木)更新

出資金の増額要請

 
出資金の増額要請

名前も場所も伏せておきますが、ある信用組合が出資金の大幅な増強運動を開始しました。5年間で毎年10億円増加させ、現在約30億円の出資金を80億円にする予定です。預金が数百万円以上の余裕がある顧客を中心に営業しているようです。

その信用組合の自己資本比率は6%台であり、出資金の配当率は2%。単純に比較してはいけないかもしれないけど、東京都に本店のある信用金庫では配当率が4%のところが一番多く、自己資本比率・配当率共にちょっと低い。
 
50億円増額したとしても、このような不況下で優良な貸出金をそれだけ純増させることは、小さな信用組合では簡単ではないでしょう。そして、その信用組合のホームページに記載されていた不良債権比率は8%を超えていることから、不良債権処理に伴う自己資本比率が大幅に低下する事を防止するために出資金を集めるのでしょう。

出資金は預金金利に比べればはるかに利率は高いことが多いのですが、全額保証されているわけではありません。過去には経営破綻したため出資金が戻ってこなかったこともありました。また融資を受けている場合ですが、出資分と借入金を相殺することが禁止されています。信用金庫・信用組合が破たんした時点で債務超過になっている場合は、借入金だけが残ることになります。無配や低い配当率の信金・信組から出資の要請があった場合は、経営内容を確認し慎重に対応したほうがいいでしょう。
 
 

2011年06月06日(月)更新

中小企業を狙った詐欺

東日本大震災の発生以降、義援金を騙し取る詐欺事件が増えています。
被災地を支援するためと偽り、募金活動と称して現金を騙し取る、振込をさせるそうです。

それ以外にも、大震災によって資金繰りが悪化する中小企業をターゲットにした詐欺事件が発生しています。融資話を持ちかけ、融資の事務手数料とか保証金という名目で騙し取る事件で、こういうのは不景気で資金繰りが苦しい中小企業が増加すると増えてくる犯罪です。


そういう話にはぜひ注意してください。

2011年05月23日(月)更新

東日本大震災復興緊急保証の推進を本格化

5月23日から全国で開始される東日本大震災復興緊急保証は、信用保証協会が100%保証する制度であることから、各銀行でも今年度の融資営業の中心と捉えて本格的に推進していくようです。
 
すでにこの制度が確定したと同時に営業活動を行っている銀行がありますし、三菱東京UFJ銀行のような大手銀行でも、取引先を対象にした説明会を行う等積極的に動いています。どこの銀行も保証枠の獲得に積極的です。
 
直接被害を受けただけでなく、被災区域外で間接被害が認められる中小企業も対象となっています。詳細は中小企業庁のHPを参照してください。また自社のある市区町村のHPも必ず参照してください。
 
しばらくは自治体によって認定基準に温度差が発生する懸念があります。またこういう制度は、緊急保証制度の時のように途中から条件などに変更がある場合がありますから、時々は制度内容を確認しておくといいでしょう。
 

2011年05月07日(土)更新

ブログのキーワード

このブログに来てくださる方が何のキーワードで来てくださるのか確認したら、なぜか城南信用金庫が一番多い結果となっていました。
 
銀行、融資、資金繰りとかを期待していたのですが、過去のブログで真壁元理事長の影響力を排除する内容を書いたのが影響しているようです。
 
それにしても、今回の東日本大震災への城南信用金庫の対応は早いし立派です。
 
・3月14日には1億円の義援金、そして4月に入って更に2億円を追加。
・3月17日からボランティア預金(預金利息の2倍の金額を寄付)を開始
・被災した信用金庫の内定取消者を採用。
おそらく預金と義援金については業界でも一番早いのではないでしょうか。
 
他の信用金庫と比較しても規模も大きく安定した経営をしている城南信用金庫だからできるのでしょうけど、新理事長さんになってからずいぶん変わりましたね。この調子で私のお客様にも積極的に融資をしてくれるとうれしいです。
  

2011年04月27日(水)更新

伴久ホテルの破産手続き

栃木県日光市に伴久ホテルという結構有名なホテルがあります。昨日、そこが破産手続きに入ったとニュースになっていました。実は私のよく知っている方の実家がここなので非常に残念です。
 
売上が低下し、設備投資の借入金が年商の3倍まで膨らみ、厳しい経営が続いているうえに、東日本大震災によって4月は宿泊客が大幅に減少の状態が続いていたそうです。
 
宿泊業はほかの業種と比べても、どうしても借入金が多くなってしまう業種であり、長年の景気低迷で厳しい経営を長期間続けているところも少なくありません。
 
 栃木県のお客様から今日いただいた手紙の中に、那須に出かけたら地元の車しか走っていなかったと書いてありました。栃木県は福島県の隣ですし、大震災の影響でしばらくはこのような状況が続くでしょうから、これからもこのようなニュースは出てくるかもしれません。
  
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会社概要

銀行での融資経験や税理士事務所での法人担当経験を生かし、中小企業の経理部長となって銀行融資取引や、提携税理士と共に経理業務のサポートを行っています。

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個人プロフィール

1971年7月1日東京都江戸川区生まれ。地方銀行や税理士事務所で働いてきましたが、今まで以上に中小企業の経理財務をサポートしていきたく起業しました。

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